理事長挨拶
2023年11月より一般社団法人 日本腎不全看護学会(JANN)の第5期の理事長を拝命いたしました岡 美智代と申します。まずはこれまで、JANNを支えてくださった、理事や社員ならびに会員の皆様に感謝申し上げます。
わたしの腎不全看護とのかかわりは、虎の門病院透析室勤務に始まります。その後も腎不全看護の奥深さに導かれ、修士論文、博士論文共に、腎不全看護に関する研究を行い、そして現在まで腎不全看護に携わってまいりました。
これからは約3800人の会員の皆様と共に腎不全看護の向上を目指したいと思っております。そのために、今期ではJANNの4つの運営目標を挙げました。これは、現在JANNの各委員会ですでに実践している活動を整理したり、国内外の学会の目標を参考にしたりして、JANNの皆さんと設定いたしました。
<運営目標1:国民への情報発信の強化と関連組織との連携>
腎不全患者さんの悪化予防やQOLの向上は、腎不全看護を担う学会として最大の役割であると考えます。そのため、この目標については、腎不全看護に関する国民への啓発や、災害・感染予防への対応、ならびに国内外の関連学会などと緊密な連携をおこない、これらを通じて、国民へのより良い腎不全看護を提供していくことを目指します。
<運営目標2:腎不全看護の知識と実践の構築と発展>
臨床では、腎不全看護が行われているにもかかわらず、その成果は一部しか研究論文として発表されておりません。そのため、エビデンスに基づいた最新の情報や研究成果の創生を促進し、腎不全看護の専門性の向上をサポートしてまいります。
<運営目標3:腎不全看護を担う人材育成と活用>
腎不全看護のスペシャリストとしては、慢性腎臓病療養指導看護師(CKDLN)、腎不全看護認定看護師(CN)、慢性疾患看護専門看護師(CNS)などが活躍しています。JANNでは、これらの有資格者の役割と活動の充実、各研修やセミナー、ならびに看護研究助成金の授与を行い、人材育成のために学会全体で知恵と力を結集していくことを目指します。
<運営目標4:組織インフラとシステムのリストラクチャー>
JANNは現在、14の委員会がありますが、各委員会は過不足なく活動できることが望まれます。そのため、効率的で柔軟性のある運営を追求し、事業内容の見直しや会員の利便性を向上させ、学会全体の発展に貢献していくことを目標といたします。
以上4つの目標を挙げましたが、大風呂敷を広げても私一人では何もできず、会員や関係者の皆様のご協力があって初めて充実した学会運営が可能となります。皆様が抱いていらっしゃる、腎不全看護に対する熱い思いを、この学会で是非発揮していただきたいと思います。
任期の2年間、JANNのために、誠心誠意、尽くしていく所存でございます。皆様のご協力、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
2023年11月20日
一般社団法人 日本腎不全看護学会
理事長 岡 美智代
(群馬大学大学院保健学研究科 教授)